【8月7日 AFP】知的で歯切れの良い話し方、スリムなルックスの東小雪(Koyuki Higashi)さん(27)は多くの日本人男性にとって魅力的で結婚したいタイプの女性だろう。けれど東さんは、自分が結婚することはないだろうと考えている。理由はレズビアンだからだ。

 欧州を中心に先進国の多くでは同性婚に寛容な姿勢が広まり、米国のリベラルな州でも徐々に認められつつある現状とは裏腹に、日本、そしてアジアの多くの地域で同性婚が人々の意識に上ることはない。

 しかし大統領選の年を迎えた米国で先ごろ、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が慎重ながらも同性婚への支持を表明し、太平洋の反対側の保守的な日本にも希望の光が射し始めた。

「アメリカの大統領が、アメリカではこれから同性カップル支援していきたいと表明したんだって言うだけで、もしかして私いてもいいんじゃない?って思える」と東さんは語る。

「オバマ大統領が同性婚を支持しますと言ったら、みんなが知るところになる。その影響力の大きさというのは全然違う」

 東さんのパートナー、ひろこさん(34)もうなずく。「オバマ大統領がそういうスターパワーの行使をしたことが本当に私はうれしかった」

 オバマ大統領の宣言は、同性愛者の権利拡大を求めてもっと大きな声をあげていこうとの国際的な動きの先駆けとなった。

 米国のゲイ・プライド月間である6月、オバマ政権は同性愛者の権利擁護団体「カウンシル・フォー・グローバル・イコーリティ(Council for Global Equality、世界的な平等のための委員会)」の代表、マーク・ブロムリー(Mark Bromley)氏を日本へ派遣した。来日したブロムリー氏は報道陣に対し、同性カップルの平等は人権の中の重要な理念のひとつだと語った。

 自らも同性の夫との間に2歳の娘を持つブロムリー氏は、さらにヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官の言葉を引用した。

「マイノリティーの人々が自分たち(の力)で自分たちを十分に守ることは不可能で、マイノリティーが十分に安全な場所を見つけ、十分に受け入れられるためにはマジョリティー(多数派)の人々(の力)が必要だ、と。それには法や政治的な支援、社会空間などが必要だ」