【7月27日 AFP】英イングランド(England)東部の町イプスウィッチ(Ipswich)の銀行で25日、引き出そうとした金額の2倍の額が出てくるというATM(現金自動預払機)の不具合が発生した。人が集まって混乱したため警察が出動する騒ぎになった。

 騒ぎが起きたのは英銀行大手ロイズTSB(Lloyds TSB)の支店で、窓口が閉まった後に訪れた人々にATMが「無料の現金」を出し始めた。

 噂を聞きつけた人たちが集まり、ATMの使用をめぐる言い争いも起きたという。銀行職員がATMを停止させるまでの間、警察官が現場で警戒にあたった。

 ロイズの広報担当は問題のATMが誤った額の現金を出していた時間は短時間だったと説明するとともに謝罪した。

 約30人がこの不具合に乗じて利益を得たとみられている。銀行の損失額ははっきりしておらず、不正に引き出された現金の回収が可能かも分からないという。

 住民の1人は地元紙イプスウィッチ・スター(Ipswich Star)に、「噂はすぐに広まった。友人の1人が40ポンド(約4900円)と入力したら80ポンド(約9800円)出てきた」と話している。

 ロイズ・バンキング・グループ(Lloyds Banking Group)は経済危機の影響を受け、英政府に膨大な額の公的資金投入を申請した。ツイッター(Twitter)のあるユーザーは「銀行が人々に還元するのはいいことだね」とつぶやいた。(c)AFP