【7月27日 AFP】ロンドン五輪の男子サッカー1次リーグで、日本代表チームが五輪史に残る番狂わせを演じ、国内は歓喜に包まれた。  国内の各新聞社は、日本代表の勝利を1996年のアトランタ五輪でブラジルを倒した「マイアミの奇跡(Miracle of Miami)」になぞらえて「グラスゴーの奇跡(Miracle in Glasgow)」と報じている。

 前半34分に大津祐樹(Yuki Otsu)が決めたゴールは、男子日本代表チームが決勝トーナメントに勝ち進む可能性を大きく高めた。  国内のほぼすべての新聞とメディアが日本の劇的勝利をトップニュースで伝え、日刊スポーツ(Nikkan Sports)は一面の記事の書き出しを「勝った!勝ってしまった!」と報じた。

 また、毎日新聞(Mainichi Shimbun)は「大津、無敵艦隊沈めた」と見出しを打ち、スポーツニッポン(Sports Nippon)は、「サッカーの母国を、世界中を驚かせた。五輪初戦で『グラスゴーの奇跡』は起きた」と伝えている。

 読売新聞(Yomiuri Shimbun)は、スペインの選手がピッチに倒れ込んでいる横で得点を喜ぶ大津の写真を一面に使用し、「日本、スペインを破る」と報じた。

 同紙は記事の中で「最近の五輪ではふるわない成績が続くサッカーの男子代表。だが、優勝候補のスペイン相手に敢然と戦い、見事に勝ちきった。日本サッカー史に残る金星だ」と伝えている。

 日本サッカーはこれまでにも世界中を驚かせる結果を残しており、2011年には女子サッカーW杯ドイツ大会(FIFA Women's World Cup 2011)決勝で米国を破り、東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた日本に大きなニュースをもたらした。

 その一方で、朝日新聞(Asahi Shimbun)はチームが見せた堅守速攻が再三の好機を作ったとして、男子日本代表の勝利は「奇跡じゃない」と報じている。

 女子に続く男子サッカー代表の勝利に、藤村修(Osamu Fujimura)官房長官は「女子の非常にうれしいニュースに続いて、男子が強豪スペインに勝ったというのは本当に幸先が良い」とコメントした。(c)AFP/Hiroshi Hiyama