【7月23日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)をはじめとする少なくとも14都市で23日、22件以上の爆発や銃による襲撃などが相次ぎ、これまでに少なくとも91人が死亡、161人が死亡した。治安当局者や医療関係者が述べた。1日内の死者数としては2010年5月以降で最悪となった。前22日にも爆弾の爆発で17人が死亡している。

 爆弾の爆発や襲撃はバグダッドと首都北方のディヤラ(Diyala)州、キルクーク(Kirkuk)州、サラハディン(Salaheddin)州の都市で発生。事件に先立ち、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の関連組織が領土を取り返すとの警告を発していた。

 医療関係者の話によると、バグダッドの北25キロにあるタージ(Taji)の道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発、救急隊員が現場に駆けつけたところ、今度は自爆攻撃が発生した。また同日午前5時ごろ、バグダッドから北に90キロに位置する軍の基地施設では、武装集団による襲撃が発生し、多数の死傷者が出たという。

 キルクーク州のキルクーク市、トゥズ・クルマトゥ(Tuz Khurmatu)などでも爆発が相次ぎ、またディヤラ州では複数の軍および警察当局の検問所が武装集団に襲撃された。さらにバクバ(Baquba)など複数の都市でも爆発や発砲が多発した。

 サラハディン州のシーア派モスク(礼拝所)付近、さらにはバグダッドのイスラム教シーア派(Shiite)地区サドルシティ(Sadr City)とフセイニヤ(Husseiniyah)地区では車両爆弾の爆発がそれぞれ発生している。

 犯行声明は出ていないが、アルカイダの関連組織「イラクのイスラム国家(Islamic State of IraqISI)」は最近、イラク国内にある領土を取り返すと警告を発していた。同グループは複数のウェブサイトに音声メッセージを投稿し、判事や検察官を標的にすると宣言。さらにイスラム教スンニ派(Sunni)に対し、領土を取り返すべく戦いに協力するよう呼び掛けていた。(c)AFP