【7月23日 AFP】ポーランドは22日、ナチス・ドイツ(Nazi)が第二次世界大戦中に首都ワルシャワ(Warsaw)に作ったゲットー(ユダヤ人隔離区域)から、トレブリンカ(Treblinka)の絶滅収容所へユダヤ人の強制移送を開始した日から70年の節目を迎えた。1942年7月22日に始まった移送作戦では、当時ワルシャワに住んでいたユダヤ人26万人が命を落としたとされる。

 市内では、収容所で虐殺された犠牲者を追悼する行進が行われ、数千人が参加した。また、ワルシャワ・ゲットー内の過酷な生活を描いた未発表のスケッチ画の展覧会も始まり、ユダヤ人を連行するドイツ人や、妻の遺体を手押し車に乗せて運ぶ男性、ゲットー警察に取り囲まれた10歳の少年などのスケッチが公開された。展示品の中には140グラムのパン1切れも置かれているが、これは収容所での1日分の配給に相当する。

 二次大戦前のポーランドは欧州でもユダヤ人人口が密集し、全人口の1割を占める約320万人が住んでいたが、うち40万人がワルシャワ在住だった。ポーランド系ユダヤ人は、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)で殺害された600万人の約半数を占める。(c)AFP/Bernard Osser