【7月20日 AFP】米マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」は19日、反格差運動「オキュパイ・ウォールストリート(Occupy Wall Street、ウォール街を占拠せよ)」に参加した男性のツイート(つぶやき)などのデータを提出するよう命じた裁判所決定を不服として異議を申し立てた。

 ツイッター側の代理人を務めるベンジャミン・リー(Benjamin Lee)弁護士はツイッターへの投稿で、「ユーザーの権利と法執行機関の利益のバランスが取れていない」と、抗告を決めた理由を説明している。

 この問題は、前年ニューヨーク(New York)で行われた「オキュパイ」のデモに参加し、治安紊乱(びんらん)行為罪に問われ起訴されたマルコム・ハリス(Malcolm Harris)被告について、ツイートなどの個人情報を当局に提出するよう裁判所が命じているもの。インターネット上の言論の自由が試されているとして注目を集めている。

 ハリス被告は4月、裁判所の強制令状に異議を申し立てたが却下された。これを受けて5月、情報提出を拒否していたツイッターも異議を申し立てた。しかしニューヨーク市刑事裁判所は、ツイートは個人情報ではなく、憲法が保障するプライバシー保護の対象ではないと判断。法執行機関にはハリス被告のツイートその他の情報を見る権利があるとして、ツイッターに情報提供を命令した。

 マシュー・シャリーノ(Matthew Sciarrino)裁判官はこの決定にあたって、「ツイッターの投稿は、窓から大声で叫ぶようなものだ。プライバシー云々を期待する道理などない」と述べていた。(c)AFP