【7月20日 AFP】英国のチャールズ皇太子(Prince Charles)が故ダイアナ元妃(Princess Diana)との挙式当日の朝食で残したとされる1枚のトーストが19日、競売に掛けられ、230ポンド(約2万8000円)で落札された。

 競売を主催した英ハンソンズ・オークショニアズ・アンド・バリュアーズ(Hansons Auctioneers and Valuers)によれば、電話入札者2人による白熱した競り合いが展開された模様。小槌が振り下ろされ落札が決定した瞬間、会場では拍手が起こったものの「おいおい、売れちゃったよ」という雰囲気だったという。

 トーストを出品したローズマリー・スミス(Rosemarie Smith)さん(83)は声明で、世紀のロイヤル・ウエディングを記念する一品を入手するに至ったいきさつを明かした。その日、バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)でメードをしていた娘の仕事の1つが、皇太子の朝食のトレーを片付けることだったというのだ。

「私は娘と一緒に廊下にいたんですが、皇太子がトーストを残しているのを見たんです。結婚式の思い出になるものが欲しいとずっと考えていて、トーストを見た瞬間、『これだ』と思いました」

 スミスさんはその後、このトーストを自宅の棚の中のカップに入れてしまっておいた。だが前年、ウィリアム王子(Prince William)とキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)の挙式をきっかけに、このトーストの価値は幾らぐらいなのだろうと考え始めた。

「好奇心から、競売関係者に尋ねてみたんです。すると、王室関連品のコレクターにとってはかなり価値あるものかもしれないという答えでした。うれしい驚きでしたね」

 チャールズ皇太子とダイアナ元妃は1981年7月29日に結婚。世界の7億5000万人が挙式を見守った。(c)AFP