【7月20日 AFP】ブルガリア東部ブルガス(Burgas)の空港で18日、イスラエル人観光客を乗せたバスが爆発し少なくとも6人が死亡した事件で、ブルガリア当局は19日、自爆犯とみられる男の映像を公開した。

 ツベタン・ツベタノフ(Tsvetan Tsvetanov)内相は「自爆犯は短パン姿でバックパックを背負い、他の観光客となんら変わりなく見えた」と述べた。

 公開された映像には、かつらにも見える長髪で、サングラスを掛けた白人とみられる男が空港を歩き回る様子が写っている。ツベタノフ内相によれば、年齢は26歳くらいで、偽造された米ミシガン(Michigan)州の運転免許証を持っていた。また当局は男の指紋を採取しており、米連邦捜査局(FBI)、国際刑事警察機構(インターポール、Interpol)、欧州警察機関(ユーロポール、Europol)に身元特定への協力を要請したという。

 爆発は、テルアビブ(Tel Aviv)発の便で空港に到着した154人のうち約50人のイスラエル人観光客が黒海(Black Sea)沿岸のリゾート地へ向かうためバスに荷物を積み込んだり、乗り込んだりしていたときに起きた。

 当局によれば、観光客5人が現場で死亡し、ブルガリア人運転手1人が搬送先の病院で死亡した。負傷者は30人以上に上った。

■「ヒズボラの犯行」とイスラエル首相

 爆弾攻撃についてイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、「イランのためにテロを行っている代表的な組織の1つ、レバノンのイスラム教シーア(Shiite)派組織ヒズボラ(Hezbollah)による犯行」との見方を示した。また、今回の事件はイランとヒズボラが世界各地で実行しているテロ攻撃の一環だとも述べた。

 イスラエルと強い同盟関係にある米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、「米国は他の同盟諸国と共に、この攻撃の実行犯らを特定して裁きを受けさせるために必要なあらゆる支援を行う」と表明した。

 一方、イラン国営テレビはイスラエルの主張を「ばかげている」と一蹴し、イランの核開発計画をめぐって緊張が高まっている中、「反イランの雰囲気を作り出す狙いがある」と報じた。(c)AFP/Diana Simeonova