【7月15日 AFP】今月末に始まるロンドン五輪には手遅れだが、2014年のソチ五輪には間に合いそう――米国の五輪選手団ユニフォームの話だ。

 ロンドン五輪の開会式および閉会式で米選手団が着用するユニフォームは、米ファッションブランド、ラルフローレン(Ralph Lauren)がデザインを手がけた。

 だが、縫製は中国で行われた「メード・イン・チャイナ」であることから、このユニフォームが「けしからん」と米議会のやり玉に挙げられたのだ。

 背景には、米議会で、繊維産業を含め米産業の雇用が人件費の安い中国などに奪われているとの批判が高まっているという事情がある。

 ハリー・リード(Harry Reid)上院院内総務は、「五輪委員会は自らを恥ずべきだ」と糾弾したうえ、ユニフォームを全て回収し、まとめて焼却すべきだとまで言い切った。

 厳しい批判をうけて、米国オリンピック委員会(USOC)は13日、選手団はすでにロンドン入りしており、ユニフォーム配給も始まっているため、ロンドン五輪でのユニフォーム変更は不可能だとしたうえで、ラルフローレンとの間で2014年ソチ冬季五輪の米選手団ユニフォームは、全生産工程を米国内で行うことで合意したと発表した。

 米議員らは、米五輪選手団のユニフォーム類を全て国内で生産すれば、米経済に10億ドル(約790億円)の利益をもたらすと主張している。(c)AFP