【7月12日 AFP】アジア歴訪中の米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は11日、ベトナム戦争中に米軍がラオスに残した不発弾の爆発で重度の障害を負った被害者の若者と面会し、不発弾処理の支援により力を入れると約束した。

 首都ビエンチャン(Vientiane)を訪れたクリントン長官は、不発弾被害者のための義手・義足の製作や作業療法を行っている支援団体COPECooperative Orthotic and Prosthetic Enterprise)に立ち寄った。ここで、16歳のときに不発弾の爆発で両手と視力を失ったポンサワット・スリラット(Phongsavath Souliylath)さんを紹介されたクリントン長官は、明らかに心動かされた様子だった。

 スリラットさんは故郷の北部の村で、一緒に遊んでいた友人が拾ったクラスター爆弾によって両手を吹き飛ばされ、視力を失った。4年前、16歳の誕生日のことだった。それ以来、人生はすっかり変わってしまったと、スリラットさんは不慣れな英語で訴えた。「あらゆる国の政府が協力して不発弾を除去し、生き残った被害者たちを支援してほしい。多くの生存者が支援を受けていません。彼らの生活は非常に苦しいのです」

 これに応えてクリントン長官は「全くおっしゃる通りです。私たち政府にはもっとやるべきことがあります。われわれが協力して進めるべき仕事がある、それをもっと多くの人々に語ることができるように今日、私はここへ来ました」と述べた。

 COPEのセンターでリハビリを受けて現在はスタッフとして働くスリラットさんは、恨めしさなど微塵も見せずに「あなたと米国の皆さん、そして米政府のご健康と夢の実現をお祈りします」と答えた。(c)AFP/Jo Biddle