【7月12日 AFP】(一部更新)米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は11日、冥王星で5個目の衛星を発見したと発表した。

 ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)で発見された新衛星の形は不規則で、直径は約10~24キロ。暫定的に「S/2012」あるいは「P5」と名付けられている。

 冥王星周辺では昨年も、4個目の衛星の発見が報告されている。

 NASAによるとその他3個の衛星は、1978年に米海軍天文台(US Naval Observatory)が発見した最大の衛星カロン(Charon)が直径約1040キロ。2005年に今回と同じハッブル望遠鏡で発見されたニクス(Nix)、ヒドラ(Hydra)の2つが直径30~110キロ程度とみられている。

 これら冥王星の衛星について、米カリフォルニア(California)州にあるSETI研究所(SETI Institute)のマーク・ショーウォーター(Mark Showalter)氏は「ロシアのマトリョーシカ人形さながらに、ぴったりとした入れ子状の軌道を形成している」と説明する。

 地球から約48億キロ離れている冥王星はかつて太陽系の9番目の惑星とされていたが、2006年8月、新分類の「準惑星(dwarf planet)」とされた。直径約2300キロと、大きさは地球の月の約3分の2で、質量は地球の1%に満たない。(c)AFP