【7月11日 AFP】座る時間を1日3時間未満に抑えれば、米国の成人の平均余命は2年延びるかも――。このような研究が10日、英医師会雑誌(BMJ)のオンライン医学誌「BMJ Open」に発表された。テレビを見る時間を1日2時間以内に減らした場合も平均で1.4年、寿命が延びる可能性があるという。

 ただ最近の研究によれば、米成人は1日平均7.7時間を「座って」過ごしている。今回の論文を共同執筆した米ペニントン生物医学研究センター(Pennington Biomedical Research Center)のピーター・カツマルジク(Peter Katzmarzyk)氏も、デスクワークの時間を加味すると「1日3時間未満」の目標達成は「困難だろう」と認める。

 一方で同氏は、座る時間を減らす方法は幾つもあるとして、立ち机やルームランナーデスクの使用、歩きながらの会議、電子メールを使わずに同僚の席まで直に話しに行く、などの例を挙げた。

 今回の研究は、公衆衛生とライフスタイルに関する統計資料と、運動不足についての世論調査を比較して行われた。

 カツマルジク氏はAFPの電子メール取材に、次のように説明している。「座っているときは(人体で最大の筋肉である)脚の筋肉が全く活動しなくなり、血糖やコレステロールの値に問題が生じることが生理学研究で分かっている。われわれの研究結果は、少なくとも米国では座っている時間やテレビ視聴時間が長引くことで、余命が短くなる潜在的可能性を示している」 (c)AFP