【7月6日 AFP】カナダ・ケベック(Quebec)州で2日から開催されている「第1回フランス語世界フォーラム(French Language World Forum)」で、フランス語圏でさえも「Eメール」や「ネットワーキング」などの英語がネット上や経済界で広く使われている現状を嘆き、参加者らが代替となるフランス語での「造語」について協議した。

 フランス語を公用語とする国のなかには、遠く離れたシリコンバレー(Silicon Valley)やウォール街(Wall Street)で生み出された言葉をフランス語に置き換える試みも少なからず行われている。だが、そうした国々でも、残念ながら「ツイート」や「ハッシュタグ」に代わるフランス語はまだ存在していない。

 金融や会計英語のフランス語化を管轄するケベック州フランス語事務局(Quebec Board of the French LanguageOQLF)のルイーズ・マルシャン(Louise Marchand)局長も、「経済やビジネス用語におけるフランス語の共通語彙はまだない」と話す。一度、根付いた言葉を取り除くのは難しいため、こうした分野で英語が定着する前にフランス語の代替用語の考案は急務だと、マルシャン局長は言う。

 ただ実際には、ケベック州で生まれたフランス語が、大西洋を越えて欧州やアフリカのフランス語圏で慣用化されることはまず無く、またこの逆もしかりだという。

 フランス語世界フォーラムで紹介された調査結果によると、フランス語はインターネットやSNS、国際貿易の世界などで最も広く使用される言語の第3位だ。

 デジタル・コミュニケーション・ビジネスの専門家、クロード・マレゾン(Claude Malaison)氏は、ネット世界での「フランス語圏戦略」を確立する必要性を訴え、その第1歩として「デジタル用語のフランス語化」を提案した。

■フランス語の未来はアフリカに

 一方、国際フランス語圏機構(International Organization of La FrancophonienOIF)の予測によると、アフリカではフランス語を話す人口が2050年までに7億人に達するとした。これはアフリカ全体の約8割にあたる数字だ。

 ケベック州ラバル大学(Laval University)のミラード・デューイ(Milad Doueihi)教授は「将来は、フランス語の世界はアフリカが主な舞台となるだろう」と語った。(c)AFP/Guillaume Lavallee