【7月4日 AFP】50歳の誕生日を迎えた3日、米俳優トム・クルーズ(Tom Cruise)はハリウッドの所得番付で1位になった。しかし、妻ケイティ・ホームズ(Katie Holmes)に離婚を申請されたばかりで、祝っている場合などではない。

 クルーズにとっては寝耳に水だったとされる離婚申請から数日が経過。結婚生活が5年で破綻したことに、クルーズが信仰する米新興宗教団体サイエントロジー教会(Church of Scientology)が絡んでいるのではないかと世間では騒がれている。

 報道によれば、クルーズは現在アイスランドで新作映画を撮影しており、妻の電撃発表以降、口を閉ざしたままだ。代理人は6月29日、「トムは深く悲しんでおり、3人の子どものことに集中している」とコメント。離婚申請理由についての憶測が飛び交う中、その後の発言はない。

■おとぎ話のような恋から3度目の離婚へ

 おとぎ話のような2人の恋は、出足は上々だった。オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)のトーク番組に出演したクルーズがホームズへの愛を告白してソファーで飛び跳ねたのは有名で、その後、エッフェル塔(Eiffel Tower)でプロポーズした。

 離婚は、クルーズにとって3度目だ。女優ミミ・ロジャース(Mimi Rogers)と1987年に結婚して90年に離婚。ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)とは90年に結婚し2001年に離婚している。また、スペイン人女優ペネロペ・クルス(Penelope Cruz)とは3年間交際していた。

 30年にわたって映画業界で大成功を収めてきたクルーズだが、私生活はそれほどうまくいっていないというのが批評家の見方のようだ。今後は、6歳の娘スーリ(Suri)ちゃんをめぐって親権が争われることになる。トムがスーリちゃんをサイエントロジーに深く関わらせることを恐れたホームズが単独親権を求めているためだ。

 サイエントロジー教会の弁護士は2日、ホームズを監視させているといった報道や、クルーズがスーリちゃんを同教会の教団組織「シー・オーガニゼーション(Sea Organization)」に入れたがっているという芸能情報サイトTMZなどの報道について否定した。

■ハリウッドで最も稼ぐ俳優になったが…

 1986年の『トップ・ガン(Top Gun)』で一躍注目を浴びてから26年、クルーズは「ミッション・インポッシブル」シリーズなどの大ヒット作に出演、ハリウッドで最もパワフルで金になるスターとしての地位を固めた。3日に米経済誌「フォーブス(Forbes)」が発表したハリウッドの長者番付もそれを証明。2011年5月から1年間の収入は7500万ドル(約60億円)で、クルーズはハリウッドで最も稼ぐ俳優になった。

 しかしTMZによれば、婚前契約により、ホームズが手にする慰謝料は1500~2000万ドル(約12~16億円)程度。クルーズの財産に比べれば取るに足りない額だが、ホームズは気にしていないようだ。同サイトには「彼女にとって金は重要ではない。彼女は自分で十分稼げる」というホームズの近親者の談話が掲載された。ホームズがこだわるのは娘の養育のことだけだという。

 クルーズの弁護士はBBCラジオで、クルーズ側からも今後離婚を申請する用意があるが、今はホームズ側が世間の注目を集めることに満足していると話した。「トムがどこで離婚を申請するのか、スーリの共同親権を求める予定があるのかどうかは戦略上言えない」

■数少ないクルーズの味方?

 嫌な状況に追い込まれたクルーズだが、3日、数少ない味方が現れた。製作会社のパラマウント(Paramount)だ。ハリウッド・リポーター(Hollywood Reporter)には同社の声明が掲載された。

「トムは偉大なムービースターで才能に富んだ俳優だ。彼の映画は多くの人を楽しませてきた」

「『ミッション・インポッシブル』シリーズなどでも分かるように、彼には素晴らしい映画を作る才能がある。映画ファンは他の何をおいても、そのことを忘れはしない」

(c)AFP/Michael Thurston