【7月2日 AFP】西アフリカ・マリの世界遺産の砂漠都市トンブクトゥ(Timbuktu)にある聖者の霊廟(れいびょう)が前週末、同地を掌握するイスラム武装勢力「アンサール・ディーン(Ansar Dine)」によって破壊された。国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)は、霊廟破壊を「戦争犯罪」だとして直ちに停止するよう警告している。

 かつて砂漠の交易拠点として栄えたトンブクトゥは「333聖人の町」として知られ多くの霊廟があるが、6月30日に3つ、翌7月1日に4つの計7つの霊廟が2日間で破壊された。トンブクトゥを含むマリ北部を3か月前から掌握するイスラム武装勢力は、古代イスラム教聖者を祭った霊廟を「偶像崇拝」とみなしている。

 ICCのファトゥ・ベンスダ(Fatou Bensouda)主任検察官はダカール(Dakar)でAFPのインタビューに応じ、「これは戦争犯罪だ。ICCに厳正な調査権限がある」「私の要求ははっきりしている。宗教建造物の破壊行為を直ちに停止せよ」などと述べた。

 ベンスダ氏によるとマリは、軍事目的外の民間建造物への故意の攻撃を「戦争犯罪」と定めるICCローマ規程(Rome Statute)にマリが署名していると指摘している。(c)AFP/Serge Daniel