【6月29日 AFP】中国江西(Jiangxi)省で、世界最古とみられる陶器片が発見された。約2万年前のもので、これまで最古とされていたものより2000年ほど古いという。28日、米科学誌サイエンス(Science)に論文が発表された。

 陶器片は、江西省北部、長江(Yangtze)から南へ約100キロにある洞窟「仙人洞(Xianrendong)」の中で発見された。放射性炭素年代測定を行った結果、洞窟には約2万9000年前から人間が暮らしており、約1万7500年前にいったん放棄された後、1万4500年前から1万2000年前まで再び使われていたことが分かっている。

 今回発見された陶器片の年代は、最終氷期極大期(2万5000年前から1万9000年前)に当たり、農耕が始まる以前に作られた可能性もある。論文に併載されたエルサレム・ヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)東アジア学科のGideon Shelach教授の解説によれば、「最終氷期極大期では資源が不足していたため、食料を集めて処理するより良い方法を考え出す必要があった」という。

 論文は北京大学(Peking University)、米ボストン大学(Boston University)、米ハーバード大学(Harvard University)、独テュービンゲン大学(Eberhard Karls Universitaet Tuebingen)の研究者らによって執筆された。(c)AFP