【6月26日 AFP】夜間勤務は女性の乳がん発症リスクを30%高めるとの研究が、19日の学会誌「International Journal of Cancer(国際がんジャーナル)」に発表された。

 仏国立保健医学研究所(INSERM)率いる研究チームによると、夜勤と乳がん発症の関連性は「深夜シフトで勤務する女性、夜勤を4年半以上続けている女性、週平均3日未満の夜勤をする女性」で主に確認されたという。また、初めての妊娠の前に夜勤を始めた女性の方が、より高齢になってから夜勤を始めた人よりも乳がん発症との関連性が高かった。

 INSERMのパスカル・ゲネル(Pascal Guenel)所長は、遺伝子の突然変異や高齢での初めての妊娠、ホルモン治療などと同程度のリスク要因が夜勤にもあると説明している。

 夜勤の女性が乳がんにかかる確率は、喫煙者が肺がんにかかる確率の8分の1程度だという。

 研究は2005~07年の間に乳がんと診断されたフランス国内の女性1232人を対象に行われた。夜勤が乳がんリスクを高める理由についてはさらなる研究が必要だが仮説として、体内時計をつかさどる時計遺伝子の混乱や「内的脱同調」、睡眠不足による免疫系の変調などが挙げられている。

 世界では毎年約130万人が乳がんと診断されている。(c)AFP