【6月23日 AFP】壁に走り書きされた政治的スローガンから、すさんだ街角に描かれたストリートアートまで、ギリシャでは経済危機が社会的なテーマを鋭く追及するグラフィティ(落書き)にインスピレーションを与えている。

 議会選再選挙では緊縮財政派が勝利し新連立政権が発足したが、世論感情が明らかに納得しておらず、首都アテネ(Athens)では、あちこちの壁にモンスターやギャング系の落書きに混ざり、ガスマスクや苦しむギリシャ人の絵、さらには国際通貨基金(International Monetary FundIMF)やドイツに対する罵詈(ばり)雑言が書き立てられている。
 
 インパクトの強いスローガンやストリートアートを自分のブログで紹介しているフリーランス・ジャーナリストのコスタス・カレルギス(Kostas Kallergis)氏は、「落書きは表現手段として、アテネではいつも盛んだったが、この2年間は怒りの社会現象と化している。主流メディアから閉め出され、代わりにアテネの壁が表現の場となった」と話す。(c)AFP/Dario Thuburn