【6月26日 senken h】日本発のオリジナルスポーツファッションブランドとして国内外で人気を集める「オニツカタイガー」。中でも「本物の日本」をテーマに08年に誕生した「ニッポン・メイド(NIPPON MADE)」は、日本製ならではの緻密さや繊細さにこだわったスニーカーシリーズだ。革新的な製品を生み出してきた「アシックス(asics)」のDNAと、「世の中にないモノを作りたい」というデザイナーの熱い思い、そして職人の根気と技術を結集したシリーズが、海外でも高い評価を得ている。

 例えば、新ライン「BLACK LINE」の中の「MEXICO 66 DELUXE」(全4モデル、5月下旬より全国のオニツカタイガー直営店で発売)はベテラン職人が1足1足、手で製品洗いをした後、つま先とかかと部分にエナメル加工を施していく。洗い加工では湯の温度を一定に保ち、機械では出しにくいシワ感や風合い、ユーズド感を表現する。洗ったあとの陰干しも丸々3日間、全工程には5日間。手間と時間を惜しまないモノ作りが、他にはない1点モノのビンテージのような1足を新たに生み出している。

 形が出来上がったスニーカーに後からデザイン性を高めるために行う製品加工。加工するスニーカーの革の種類やデザインによっても風合いや履き心地が変わるので、洗っている時の手の感触と勘がすべて、と言われる。その感触と勘で左右両足のシワ感を揃えるのも職人技だ。

 そんなニッポン・メイドシリーズの後加工を担うのが東大阪市の加工ファクトリー。製品染めから始まり、絞り染めや抜染加工など、日本伝統の技術も取り入れたスニーカー加工を製作する。デザイナーと職人が互いに連携しながら作る姿は、アーティストと職人の思いが融合して生まれる浮世絵や日本の古美術のようだ。そんな日本伝統のモノ作りの気概を担い、今日も東大阪から世界へ、ニッポン・メイドのスニーカーが送り出されている。

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URL : http://www.onitsukatiger.com
(c)senken h / text : 橋長初代(ハッシープランニング)