【6月22日 AFP】インド北西部ラジャスタン(Rajasthan)州の村で、娘(22)の不倫に怒った父親がこの娘の首を剣で斬り落として殺害する事件があった。同州の警察当局が19日、明らかにした。娘は夫と別居していたという。

 事件があったのは、州都ジャイプール(Jaipur)から300キロ離れたラージサマンド(Rajsamand)地方のDoongar Ji Ka Gurha村。AFPの電話取材に応じた地元警察によると、殺害された娘は3年前に結婚した後、夫と別居し別の男と関係を持っていた。オガド・シン(Oghad Singh)容疑者は、浮気を止めるよう何度も説得していたが娘が耳をかさなかったため腹を立て、17日夜に自宅で娘の首を斬り落としたという。

 シン容疑者はその後、切断した娘の首を片手に、もう一方の手に血だらけの剣を持って村内を練り歩いた。近隣住民が自首するようシン容疑者を説得し、同容疑者は直ちに警察に逮捕されたが、取り調べに対し犯行の同機は娘が自分と社会を侮辱したからだと供述し、後悔は全くしていないようだという。

 一方、インドPTI通信(Press Trust of India)の19日の報道によると、西部グジャラート(Gujarat)州のスラート(Surat)地方でもボーイフレンドと駆け落ちした娘(20)に父親が生きたまま火をつけ、焼き殺す事件があった。父親は自首したという。

 インドでは近年、若い男女が身内に殺害される事件が増加傾向にある。多くは、異なるカースト間や親族の意思に背いた男女関係が原因で、一族の名誉を汚したとの理由で殺害されている。だが、こうした名誉殺人は伝統的な正義として通報されない場合も多く、警察や地元政治家も見て見ぬふりをしているのが実情だ。(c)AFP