【6月21日 AFP】大物映画監督やリッチなセレブ男女、セクシーな声優、もしくはフェイスブック(Facebook)上の「友達」の1人と、寝てみたいと思ったことは? スウェーデン感染症対策研究所(Sweden Institute for Infectious Disease Control, SMI)が安全なセックス啓蒙活動の一環として19日に発表した「Provligget」は、こうした人たちの性的ファンタジーをかなえてくれそうなアプリケーションだ。

 SMIのKarin Raagsjoe氏によれば、Provligget開発の目的はコンドーム使用の普及にあるという。

 女性ユーザー向けには、たくましい個人トレーナーや甲斐がいしく尽くしてくれるマメ男くん、男性ユーザー向けには魔性の女など、11種類のキャラクターと想像上の世界で「お試しセックス」を体験することができる。登場するキャラクターを演じるのは、そこそこの知名度があるスウェーデン俳優たちだ。

 好みの相手を選んだら、次はコンドーム使用の有無を選択。自身のあえぎ声を吹き込むと、選んだ相手の声と自身の声とが混ざり合いクライマックスに達する。

 一連の「行為」の間を通じて画面には常時、次のようなメッセージが表れる。「コンドームを使おうと提案する人は、自信と思いやりがある人とみられています」「スウェーデンはコンドーム使用率で世界最低の国だと知っていましたか?」

 もしも11種類のキャラクターの中に自分の好みの相手がいなかった場合は、自分のフェイスブックの「友達」を「お試しセックス」の相手にリクエストすることも可能だ。
 
 Raagsjoe氏によれば、このアプリは楽しみながらセックスの安全性に気づいてもらうことが目的で、コンドームの使い方や性感染症の検査機関などの情報提供サイト「www.knulldeluxe.se」をチェックするよう奨励しているという。

 Raagsjoe氏は、特にコンドームを使わないセックスの危険性に無関心な若い世代にとって、Provliggetを通じて性の問題を考え直すきっかけになればと考えている。

 複数の調査によれば、スウェーデンにおけるセックス時のコンドーム使用率は40%程度だという。

 またSMIが行った調査では、2010年~11年にかけてスウェーデンの淋病感染は13%増加。クラミジア感染も増えている他、依然としてHIV感染も多く、前年には465件の新たな感染例が報告されている。(c)AFP