【6月18日 AFP】打ち上げから1年以上にわたって地球を周回していた米軍の無人シャトル「X-37B」が16日、米カリフォルニア(California)州西部のバンデンバーグ空軍基地(Vandenberg Air Force Base)に帰還した。米空軍が発表した。周回軌道にいた期間は469日間だった。

 X-37Bは再利用型の軌道周回試験機(Orbital Test Vehicle、OTV)で、全長約8.8メートル、翼幅約4.5メートルで重量は5トン。2011年3月にフロリダ(Florida)州南部のケープカナベラル(Cape Canaveral)空軍基地から打ち上げられたが、どのような装置を積んでいたのかは秘密にされたため、ミッションの真の目的をめぐりメディアの臆測を呼んだ。

 X-37Bの軌道試験のプログラムマネジャー、トム・マッキンタイア(Tom McIntyre)中佐によると、X-37Bは270日間程度のミッションに耐えられるよう設計されていたが、OTV1号機の打ち上げ後に実施した評価結果から当初の想定より長期の軌道周回が可能だと判明したため、軌道周回期間をどこまで長期化できるのか調べるのも今回のミッションの目的の1つだったという。2010年に打ち上げられた今回のものと似た試験機は、宇宙空間で7か月間過ごした後バンデンバーグ空軍基地に帰還している。

 X-37Bは音速の25倍の速度で飛行し、大きさは2011年7月に退役したスペースシャトルの約4分の1。米航空宇宙局(NASA)は概況報告書の中で、X-37Bミッションの結果は、宇宙飛行士の救出や地球と国際宇宙ステーション(International Space StationISS)間の人員輸送能力を持つ軌道周回機(OSP)の設計開発に役立つだろうとしている。(c)AFP

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