【6月17日 AFP】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(76)は16日、コメディアン・俳優のラッセル・ブランド(Russell Brand、37)を司会者に迎えた講演会で、1週間の英国訪問を開始した。

 講演会は若者を対象にイングランド北西部のマンチェスター・アリーナ(Manchester Arena)で行われたもので、ダライ・ラマとラッセル・ブランドという異色のツーショットが実現した。ブランドは歌手のケイティ・ペリー(Katy Perry)の元夫で、奔放な過去で知られる。

「日中は働き、夜は寝るためにある。けれど自分が幸せになることをすればいい」とダライ・ラマが語ると、ブランドは「ぼくのライフスタイルを後押ししてくれてありがとう」と応じた。

 さらにブランドは「麻薬中毒患者から3度の『最多セックス賞(Shagger of the Year)』受賞者になったぼくが、今はダライ・ラマを紹介する役だ。興味深い(人生の)旅路だよ」と語った。

■「未来は若者の手に」

 講演でダライ・ラマは、未来は若者たちの手中にあると呼び掛けた。

「21世紀はあなたたちのものだ。私の世代は20世紀に属する。すでに過ぎ去ったのだから、私たちもさよならをする準備ができている」「私は、今世紀は以前よりもっと快適で、平和で、平等になるはずだと確信している」

 またダライ・ラマは、暴力的な衝突を回避するために重要なのは対話だと語った。

「私は16歳で自由を失い、24歳で祖国を失った。50年から60年、私は多くの問題に直面したが希望をなくすことはなかった。それは真実に基づく希望、道理に基づく希望だった」

■英国各地を訪問へ

 ダライ・ラマは数日間のマンチェスター・アリーナでの講演会などの後、ロンドン(London)に向かい、その後、スコットランドのエディンバラ(Edinburgh)、ダンディー(Dundee)、インバネス(Inverness)を訪れる。

 15日には欧州連合(EU)の経済危機について質問されたダライ・ラマは、「非常に深刻だ。だがアドバイスを求めるのであれば、私は専門家ではない」と前置きしたうえで、「あなたたちは第1次世界大戦と第2次世界大戦からの再建を経験した。ドイツや日本が経済を建て直すのを目撃した。ならばできないこともないでしょう?」と語っていた。(c)AFP

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