【6月13日 AFP】自分はどこの誰だか分からないが5年間森の中に住んでいた、と主張して9か月前に独ベルリン(Berlin)の市役所に助けを求めてきた少年の写真を、ベルリン警察当局が12日公開した。身元確認への協力を呼び掛けている。

 メディア公開された写真に写った少年は金髪で、Tシャツを着てアルファベットの「D」がペンダントヘッドになった金のネックレスをしている。警察によると年齢は推定16~20歳で目の色は青く、身だしなみはきちんとしていて、スポーツ選手のような体格だという。

 この少年は2011年9月5日にベルリン市役所に現れ、自分の名前は「レイ(Ray)」で1994年6月20日生まれだということしか分からないと訴え、助けを求めた。英語を話し、ドイツ語は少ししか分からなかったという。所持品はテントと寝袋、新品同然のリュックサックと清潔な衣服だった。警察によると、少年は若者のための緊急施設へ送られ、そこで「冒険のような話を語った」という。

 記憶喪失なのか、それとも話すのを拒否しているのかは不明だが、少年は名字や出生地など身元に関する情報を明かさなかった。一方で、前年8月に父親が急死するまでの5年間、2人で森の中に住んでいたと語った。「森の中で石の下に掘った穴」に自分で父親を埋葬し、その後「北に向かって5日間歩いて」ベルリンにたどり着いたという。父親の死因や遺体を埋葬した場所については説明できず、警察が捜索しているが「該当する遺体はまだ見つかっていない」という。

 母親については「ドリーン(Doreen)」という名前で、自分が12歳の時に交通事故で死んだはずで、この事故についても記憶はないが、自分の顔にある傷はこの事故で負ったものではないかと思うと述べている。

 ベルリン市警は英独2言語で発表した声明で、「広範囲にわたって調査・捜査を続けているが、少年保護当局も当市警も『レイ』と名乗る少年の身元確認には至っていない。写真の少年を見かけたという人、身元について何らかの情報を提供できる人、親戚かもしれない人物に心当たりのある人は連絡して欲しい」として情報提供を呼び掛けた。少年はベルリンの少年保護施設に短期間滞在した後、生活保護施設に移され法定後見人が指名されているが、「保護当局もベルリン警察も少年の話に大きな疑念を抱いており、今回写真を公開して広く支援を要請することにした」という。(c)AFP

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