【6月11日 AFP】ナイジェリアで10日、キリスト教会を狙った2件の攻撃があり、合わせて3人が死亡、多数が負傷した。両方の攻撃についてイスラム過激派ボコ・ハラム(Boko Haram、「西洋の教育は罪」の意)が犯行声明を出した。

 攻撃を受けたのは中部の都市ジョス(Jos)と北東部の町ビウ(Biu)のキリスト教福音派教会。両教会とも以前にボコ・ハラムによるとみられる攻撃を受けたことがあった。

 ジョスの地元警察によると、自爆犯が乗った車は教会に突っ込んだのではなく、教会の前で爆発した。爆発は教会の建物が完全に倒壊するほど激しかったという。ジョス当局によると、自爆犯のほかに2人が死亡、41人が負傷した。現場に居合わせた記者は、攻撃に怒ったキリスト教徒の若者がイスラム教徒らに暴行を加える場面も見られたと伝えた。

 一方、ビウでは礼拝中の教会に複数の男が銃を乱射。ナイジェリアキリスト教徒協会(Christian Association of NigeriaCAN)現地支部のサムソン・ブカル(Samson Bukar)会長は、少なくとも女性1人が死亡し、数人の負傷者が出たとAFPに語った。負傷者のうち2人は重傷だという。銃撃犯らはそのまま逃走した。

■「イスラム国家樹立まで攻撃続ける」 ボコ・ハラム

 アフリカ最大の人口と石油生産量を誇るナイジェリアでは、ボコ・ハラムによるキリスト教会を狙った攻撃が相次いでおり、これまでに数百人が死亡している。

 ボコ・ハラムのスポークスマンだというアブル・カカ(Abul Qaqa)を名乗る人物が北東部マイドゥグリ(Maiduguri)から電話会議形式の記者会見を行い、10日の事件はいずれも、治安部隊の掃討作戦でボコ・ハラムが弱体化しているという政府発表が偽りであることを示すために行ったものだと述べた。

 さらに、現政府を倒しナイジェリアにイスラム国家を樹立するという目的を達成するまでは、敵であるナイジェリア政府とキリスト教徒の双方に対する攻撃を続けると述べた。ボコ・ハラムの記者会見は、ナイジェリア北部で話されているハウサ(Hausa)語で行われた。(c)AFP

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