【6月4日 RenewableEnergyWorld.com】集光型太陽熱発電(CSP)は、太陽光発電(PV)の急速なコストダウンについていくのに苦心しており、投資家になかなか売りこみにくい。

 しかし、もしも投資によってCSPの発電量を増加させることができ、コストを抑制してPVに対する価格競争力を高められるとしたらどうだろうか。

 それこそパラボラトラフ方式の太陽熱発電技術で提携している化学・電気素材メーカー3Mの再生可能エネルギー部門とスペースフレーム・メーカー、ゴッサマー・スペースフレームズ(Gossamer Space Frames)が望んでいることだ。

 3Mの商品「ソーラーミラーフィルム1100(Solar Mirror Film 1100)」とゴッサマーが設計したスペースフレームを組み合わせることで、CSPにおける発電容量と低コストの新記録を達成したという。

 両社は、現在開発中の技術は太陽熱発電で世界のベンチマークになるもので、最終的には太陽熱発電設備の導入コストを25%削減できるとしている。

 すでに米電力事業者コジェントリクス・エナジー(Cogentrix Energy)が所有・操業する米カリフォルニア(California)州ダゲット(Daggett)のサンレイ・エナジー(Sunray Energy)の発電所で実証設備がフル稼働している。

 この新システムは2011年10月に稼働開始し、この4月上旬に開業記念式典が行われた。ピーク時で約275キロワットの電力を供給している。別の場所でもこのシステムを使用した2番目の事業が進行中で、6月には稼働する予定だ。(c)RenewableEnergyWorld.com/AFPBB News

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