【6月1日 AFP】米ニューヨーク(New York)市のマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)市長は前月31日、炭酸飲料など甘いソフトドリンクの特大サイズでの販売を規制する方針を発表した。規制は市議会の承認を必要とせず、来年3月には発効する可能性がある。

 規制は炭酸飲料1杯あたりの上限を16オンス(約473ミリリットル)に制限するものだ。これは一般的な缶を上回る容量だが、映画館やスポーツ競技場などで販売される特大容器と比べると約半分のサイズとなる。

 対象となるのはファストフード店などの飲食店やデリ(総菜販売店)、そしてスタジアムなどの娯楽施設。スーパーで販売される飲み物やダイエット飲料、乳製品、アルコール類は対象外だ。

 規制方針が発表されると、政府は国民のベビーシッターではないとの批判が噴出した。

 既にオフィスやバー、公園、ビーチでの喫煙が禁止され、交通機関のいたるところでは不健康な食習慣を改めるよう呼びかけるおびただしい数の広告が視界に飛び込んでくるニューヨーク市。トランス脂肪(酸)の使用についても規制され、さらにバーやレストランの入口には衛生検査証明書を表示することも義務付けられている。

 自身も元喫煙者であるブルームバーグ市長は、不健康な生活習慣を撲滅するべく、断固とした態度で挑み続けている。

「子どもたちがぶくぶく太っていくのをただ傍観することは、社会としてすべきでない行為だ。(わたしは)誰の権利も取り上げていない。(本当に)もう一杯が必要かどうかを、常に考えてもらいたいだけ」

 同市長は、今後のニューヨークについて、喫煙による死者よりも肥満による死者のほうが多くなるだろうと述べている。(c)AFP/Sebastian Smith

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