【5月30日 AFP】タンザニアで2005年から2011年にかけて、高齢の女性を主とする約3000人が「魔術」を使ったと疑われ、集団暴行を受けているとの報告書が29日、同国の人権団体「法的権利と人権センター(Legal and Human Rights CentreLHRC)」によって発表された。

 報告書によればタンザニアでは、これらの女性たちを魔女だと信じる近隣住民らによって、集団暴行による制裁や脅迫が行われている。「毎年平均500人が魔女だと疑われて殺害されており、特に目の赤い高齢女性が標的となっている」という。

 LHRCによれば、特に同国北部のムワンザ(Mwanza)州とシニャンガ(Shinyanga)州で魔女狩りが多発している。シニャンガ州では2010年1月からの1年間だけで242人が、地元住民の魔術信仰が原因で殺されているという。

 赤い目は魔女の証であるとして多くの住民に恐れられているが、実は赤い目の原因の多くは、貧困地域で料理用の燃料として使われる牛ふんにあるとLHRCは説明している。

 また地元住民の間では、不妊や貧困、商売での失敗、凶作、地震に至るまで、あらゆる不運の裏には魔術の存在があると広く信じられているという。(c)AFP