【5月28日 AFP】ペルー考古学史上の驚異、マチュピチュ(Machu Picchu)遺跡の麓に位置する町が、観光客の増大により許容量オーバーになりつつあるとして、国連教育科学文化機関(ユネスコ、United Nations Educational, Scientific and Cultural OrganizationUNESCO)はこれを防ぐ緊急措置を呼びかけている。

 マチュピチュ遺跡は、山麓の町アグアスカリエンテス(Aguas Calientes)のはるか頭上の山の上に鎮座している。この町では増え続ける観光客を受け入れるためのホテルやレストランが急増している。

 ユネスコ世界遺産センター(World Heritage Centre)のヌリア・サンス(Nuria Sanz)ラテンアメリカ・カリブ地域ユニット長は先週ペルーを訪れた際に「クスコ(Cusco)州にあるマチュピチュ遺跡の保護責任当局は、アグアスカリエンテスで進む混乱を解消するための厳しい緊急措置を取る必要がある」と述べた。

 ユネスコ世界遺産(World Heritage Site)に登録されているマチュピチュ遺跡は、間もなく予定される第2の観光ルートの整備により観光客がさらに増えることが予想されており、アグアスカリエンテスの成長への対処と遺跡周辺に効果的な緩衝地域を設けることがペルー当局に求められている。

 マチュピチュはクスコ州南東部の標高2400メートルの山頂に15世紀に築かれたインカ帝国の遺跡。「マチュピチュ」とはアンデス(Andes)地方の先住民の間で広く使われるケチュア語で「老いた峰」を意味する。(c)AFP