【5月20日 AFP】仏高級クリスタルガラスメーカー「バカラ(Baccarat)」がこのほど、「革命的」な新デザインのワイングラスを発表した。「ブドウの香りを取るか、アルコールを取るか」という長年の論争に決着をもたらすはずだと意気込みを見せている。

 チューリップ型をしたこのワイングラスは、幅広の平らな底と上部の垂直な「チムニー(煙突)」が特徴。バカラ社によるとこの形状によって、グラスを揺らしたときにワインのアロマよりアルコール臭が強くなってしまう現象を防げる。通常のグラスに比べ、ワインを揺らした際の酸化の進みを抑えることができるため、ヴィンテージワインの繊細なアロマを吹き飛ばしてしまうことがないのだという。

 同社のフランソワ・マイネッティ(Francois Mainetti)中華圏部門担当ゼネラルマネージャーは18日、AFPの取材に「このグラスは革命的だ」と語った。

 マイネッティ氏は、ワインの香りとアルコール成分とは中国の思想で言う「陰と陽」のように重要だと指摘する。「火と水とのバランスのようなものだ。このグラスはアルコールから来る火と、水分から生まれる香りとのバランスを取る」

 この新型ワイングラスは今年まずフランスで発売され、続いて中国と香港でも前月発売された。(c)AFP