【5月16日 AFP】海賊対策でソマリア沖に派遣されている欧州連合(EU)の海軍部隊は15日、海岸にある海賊の拠点を攻撃した。海賊対策の国際海軍部隊がソマリア陸上の目標を攻撃したのは初めて。

 作戦は真夜中に行われ、沖合にいる艦艇から離陸したヘリコプターがソマリア中部ガルムドゥグ(Galmudug)地方の海岸に集積されていた海賊の小型船を攻撃した。欧州連合の海軍当局によると、この攻撃で負傷したソマリア人はおらず、作戦を終えたヘリコプターは無事に帰投したという。

 報道官はこのヘリコプターがどの国のものか明らかにすることを拒否したが、現在フランス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、イタリア、オランダの計9隻の艦艇が展開している。

 北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合の艦艇は2008年から洋上で海賊に対処しているが、欧州連合は3月、海岸に集積されている燃料容器、小型船、トラックなどを艦艇や航空機から攻撃することを許可する決定を下していた。ただし、海賊への直接の攻撃や地上部隊の展開は禁じている。

 欧州連合によると、現在8隻の船と235人の乗組員がソマリア海賊の人質になっている。(c)AFP/Laurent Thomet