【4月26日 AFP】経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア(Angel Gurria)事務総長は25日、日本は国内の経済格差に対しもっと「危機感」を持つべきだと述べた。

 都内で開かれた報道関係者や外交官、学者などとの懇話会でグリア事務総長は、日本は社会の階層化と収入格差の拡大に取り組む必要があると発言。特に、女性の雇用が非常に低いことが、急速に高齢化する社会の問題に拍車をかけていると指摘した。

 グリア事務総長によると、「日本の最富裕層10%の平均収入は、最貧困層10%の10倍以上」で、これはOECD加盟34か国の平均を上回る格差だという。

 中でも、男女間の収入格差は顕著で、OECD加盟国中では韓国に次ぐ深刻さだという。

「日本の労働市場において、女性の数は圧倒的に少ない。また、そのほとんどが非正規労働者だ。これが男女間の格差を広げる要因になっている」

 その上でグリア事務総長は、急速な高齢化による問題を緩和するためには、日本は男女間の収入格差を是正する必要があると指摘。「既に日本の労働人口はOECD中最も高齢だ。女性を社会に参画させなければ、日本は急速に衰退していくだろう。埋め合わせのための唯一の方策は積極的な移民政策だ」「女性が社会復帰に魅力を感じるようにしなければならない。これは日本にとっての最優先課題だ」などと語った。(c)AFP/Harumi Ozawa

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