【4月23日 AFP】イランの革命防衛隊は22日、前年12月に捕獲した米国の無人偵察機「RQ170(RQ-170)」から読み取った「コード」とされる情報を国営テレビで公開するとともに、偵察機の複製を製造中だと明らかにした。

 アミール・アリ・ハジザデ(Amir Ali Hajizadeh)革命防衛隊空軍司令官は、「偵察機が持つ機密情報の解析がどれほど進んでいるかアメリカ人に示すため、4つのコードを公開する」と国営テレビに語った。

  「2010年10月、偵察機は技術的問題を理由にカリフォルニア(California)に送られ、修理と飛行テストを行った。2010年11月には(アフガニスタンの)カンダハル(Kandahar)へと移されたが、まださまざまな技術的問題が発生していた」

   「2010年12月、装備とセンサーの修理や飛行テストを行うためにロサンゼルス(Los Angeles)近くの空港へと運ばれた。その後偵察機はカンダハルに戻された」

 それ以上の詳細については「この航空機はイランにとって国の宝だ。(これ以上の)情報を明かすことはできない」として公表を拒んだ。

 しかしハジザデ司令官は、イランが「RQ170無人偵察機の複製の製造を開始した」と述べ、米国のステルス戦闘機や爆撃機と同じ技術を用いて製造が行われていることを強調した。

■「イランの虚勢」、米有力上院議員

 米上院国土安全保障・政府活動委員会(Senate Homeland Security and Governmental Affairs Committee)のジョゼフ・リーバーマン(Joseph Lieberman)委員長は、ハジザデ司令官の発言を「イランの虚勢」だと即座に切り捨てた。「これまでもイランはこのような状況で虚勢を張ってきた。特に今イランは、米国の経済制裁で追い込まれている」(リーバーマン委員長)

 イランは、前年12月にイラン国内で米国の無人偵察機RQ170を手に入れたとして、国営テレビでその映像を誇らしげに公開していた。偵察機はおおむね無傷のようだが、翼部分には損傷らしきものも確認できる。

 イラン側は、電子戦部隊が偵察機の操縦システムにサイバー攻撃を行い、捕獲したと主張している。一方、米国側は偵察機がイラン上空での米中央情報局(CIA)の任務中に失われたことを認めたが、イランの介入ではなく技術的問題によって墜落したと主張している。(c)AFP

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