【4月23日 AFP】イタリアで20日、欧州初となる民間高速列車「イタロ(Italo)」の報道陣向け試乗会が行われた。

 弾丸の形をした深紅の車体を持つイタロは、フェラーリ(Ferrari)のルカ・ディ・モンテゼーモロ(Luca di Montezemolo)会長が率いるヌオーボ・トラスポルト・ビアッジャトーリ(Nuovo Trasporto ViaggiatoriNTV)が運行する。イタリア最大の雇用主である旧国鉄系のトレニタリア(Trenitalia)から市場の4分の1のシェアを奪うことを目指すという。

 ローマ(Rome)からナポリ(Naples)まで走行した試乗会では、映画鑑賞車両、皮製の座席やパノラマ式の車窓などの豪華設備に報道陣の目が奪われる中、NTVは「イタロがやってきた。競争の始まりだ」と宣言した。イタリアは、マリオ・モンティ(Mario Monti)首相のもと、より自由な経済への移行が進められている。

 モンテゼーモロ氏によれば、NTVが10億ユーロ(約1077億円)を投資したイタロは開業から3年以内に900万人の利用を見込み、2014年までに市場シェア20~25%の獲得を目標としているという。また、2013年1月までに運行車両を25編成に増やす予定だという。

 フランス国鉄(SNCF)はNTVの株式の20%を保有しているが、NTV株の3分の1以上をモンテゼーモロ氏や伊高級靴メーカー「トッズ(TOD'S)」のディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)会長などが出資した民間コンソーシアムが保有している。車両は仏輸送機器・重電大手アルストム(Alstom)が製造した。(c)AFP/Ljubomir Milasin

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