【4月21日 AFP】米国とカナダ各地で20日、マリファナの合法化を訴える恒例の「マリファナデー」のデモやパーティーが行われた。

 カナダ西部のバンクーバー(Vancouver)の金融街では、1日がかりのデモのために主要な道路が
封鎖された。また米カリフォルニア(California)州でも、参加者が吸ったマリファナの煙が都市部に漂った。

 参加者が最も多いとされるバンクーバーのメディアやデモの主催者によると、この日は1万~1万5000人が参加。多くは若者たちで、日なたでくつろぎながらバンドの演奏を聞いたり、マリファナを吸ったり、通りに出た屋台で買ったスナックをほおばりながら1日を過ごした。

 マリファナデーの日付は、マリファナの通称「420(フォー・トゥエンティ)」にちなんでいる。午後4時20分が近づくと、緑色のチュチュを着た女性が無料のマリファナたばこ(ジョイント)を配り始め、参加者たちはカナダ国歌「オー・カナダ」の最初の一節をもじり、「オー・カナビス(大麻)」と歌い上げた。

 参加者の間にぽつぽつと数人ずつ配された警官はAFPの取材に対し、数人がマリファナを吸った後に気分が悪くなり救急車で病院へ運ばれた以外は大きな出来事はないと語った。

 ある警官は、コカインやメタンフェタミンといったハードドラッグの取引のほうが、取り締まり対象としての優先順位が高いと述べ、「420に関しては、平和的にやっている限りはそれほど関知しない」と語った。

 バンクーバーのマリファナ合法化運動の運動家たちは、マリファナ使用には規制は必要で、未成年は吸うべきではないと述べている。

 ビクトリア大学(University of Victoria)ブリティッシュ・コロンビア嗜癖研究センター(Centre for Addictions Research of British Columbia)でドラッグを専門とするティム・ストックウェル(Tim Stockwell)氏は、マリファナの合法化を支持する研究例は多くあり、健康的効果や社会的な観点からも、少なくとも非犯罪化すべきだと語っている。

 同氏によれば、オーストラリア、米国、欧州でマリファナに関する規制を緩めたところでも、「世界が終わるような事態にはなっていない」と言う。「全く無害な物質だとは言えないが、危険性の度合いで言えばコカインやヘロインばかりでなく、アルコールやタバコに比べても低い」(c)AFP