【4月20日 AFP】スロベニアの冒険家マテウジュ・レナルチチュ(Matevz Lenarcic)さん(52)は19日、超低燃費かつ超軽量の飛行機で「環境に配慮した」100日間の世界一周飛行に成功した。

 レナルチチュさんの超軽量小型機「Pipistrel Virus-SW914」は重量わずか290キロ。これに乗って、レナルチチュさんは西回りで約10万キロの世界一周飛行を達成した。

 飛行途上でレナルチチュさんは7大陸60か国の上空を通過。100を超える国立公園や世界最高峰エベレスト(Mount Everest)などの山々を眼下に見下ろし、3つの大洋と南極上空を横断した。それでも、飛行距離あたりの無鉛燃料消費量は過去最少だった。

 生物学者ながら航空写真家でもあるレナルチチュさんは、上空からの写真撮影も行い、さらには、これまで計測されたことのなかった地域で黒色炭素と光吸収性の炭素性エアロゾルの空中濃度計測も行った。

「世界にはこれほど広い場所があり、これだけ多くの人々が住んでいるのに、われわれは富を公平に分配できずにいる」と、レナルチチュさんは述べている。

 この世界一周プロジェクトは、スロベニアの軽量飛行機メーカー、ピピストレル(Pipistrel)が支援した。

 飛行を終えたレナルチチュさんは、「国境などなければ良いのにと思った。空から国境は見えないんだ。国境はわれわれの頭の中にあるんだよ」と語っている。

 レナルチチュさんの世界一周飛行は2度目で、前回は2004年に超軽量飛行機で東回りの世界一周に成功している。(c)AFP