【4月18日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガの審判で、2011年11月に行われたリーグ戦の試合前に自殺を図ったババク・ラファティ(Babak Rafati)氏が、公の場で初めて自殺の動機について語った。

 41歳のラファティ氏は、2011年11月19日、主審を務める予定だった11-12シーズン第13節のケルン(1. FC Cologne)対マインツ05(Mainz 05)戦の試合前に、ケルン市内のホテルの一室のバスタブ内で手首を切って自殺を図り、副審の3氏によって助け出された。早期発見により一命を取り留め、その後容態が安定したラファティ氏は、ハノーバー(Hanover)にある病院でうつ病の治療を受けていた。

 2009年11月には元ドイツ代表のゴールキーパー(GK)ロベルト・エンケ(Robert Enke)が列車に飛び込み自殺をしており、2年後に再び起こったラファティ氏の自殺未遂は、ドイツ中に大きなショックを与えた。

 事件から151日が経過した17日、ラファティ氏は独紙ビルト(Bild)のウェブ版に、心身ともに完治したことを明かしたが、審判には復帰しない意向も示した。

「体調は改善した。本当に絶望的な状態にあったんだ」と語ったラファティ氏は、「取り返しのつかないことになる前に発見されたのは、幸運なことだ。助かってよかった」と心境を話した。

 イランに祖先を持つラファティ氏は現在、定期的にうつ病の専門医の診察を受けているが、恋人と3週間のアジア旅行も計画している。また今後については、銀行員として復職することを希望しており、今年の終わりには恋人との結婚を考えていることも明らかにした。
 
 ラファティ氏は、6年間ブンデスリーガの審判を務め、1部では84試合を裁き、2008年から2011年までは国際サッカー連盟(FIFA)公認の国際審判員を務めていた。(c)AFP

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