【4月16日 AFP】英豪華客船タイタニック(Titanic)号の沈没からちょうど100年目となった15日、世界各地の洋上や陸上で犠牲となった約1500人を追悼する行事が行われた。

 タイタニック号が建造された英国・北アイルランドのベルファスト(Belfast)の市役所の近くでは、一般市民や政治家のほか、タイタニック号の船医の遠い子孫にあたる男の子など約300人が参加して追悼式が行われ、犠牲者全員の名前が刻まれた慰霊碑が建立された記念庭園が公開された。

 慰霊碑は幅9メートルの石の台座に5枚のブロンズ製の板が張られたもの。これまでの慰霊碑には乗組員や演奏家の名前がないものが多く、犠牲者全員の名前を1か所に刻んだ初の慰霊碑となった。1等船客を他の人と区別したりせず、犠牲者の名前はアルファベット順に並べられている。

 一方、タイタニック号が沈没した大西洋の海域では、英サウサンプトン(Southampton)を出港してタイタニック号の航路をたどっていたクルーズ船「MSバルモラル(MS Balmoral)号」から花輪が海に投げ入れられ、乗客らは1分間の黙とうを捧げた。

 同海域には米ニューヨーク(New York)発の追悼クルーズ船「アザマラ・ジャーニー(Azamara Journey)号」も到着した。両号によりタイタニック号沈没の様子が一部再現された。

 また、事故当時に遺体収容船を送り出したカナダのハリファクス(Halifax)では、犠牲者121人が埋葬されている墓地で追悼式が行われた。宗派を超えて厳粛に執り行われたこの追悼式には地元住民や観光客ら約1000人が出席し、一部には当時の衣装を身にまとった人もいた。ハリファクスにはこのほか29人の犠牲者が2か所の別の墓地に埋葬されている。

 タイタニック号はハリファクスの南東約800キロの海上で流氷と衝突し、1912年4月15日に沈没した。(c)AFP/Leigh Beauchamp Day