【4月12日 AFP】(写真追加)米フロリダ(Florida)州で2月に黒人少年が自警団員に射殺された事件で、同州検察当局は11日、自警団員ジョージ・ジマーマン(George Zimmerman)被告を第2級殺人罪で略式起訴したと発表した。

 被害者のトレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さん(当時17)は武器を持っていなかったため、黒人であることを理由に射殺されたのではないかとして、全米で抗議が巻き起こっていた。2月26日の事件発生から1か月以上もの長い捜査期間を経ての起訴となった。

 ヒスパニック系米国人のジマーマン被告は、フロリダ州中部サンフォード(Sanford)の自衛居住区(ゲートコミュニティー)内で口論の末にマーティンさんを射殺したとされる。

 警察は事件直後に被告を無罪放免とし、被告はそれ以来身を隠していたが、検察当局によると既にフロリダ州内で身柄を拘束している。被告側弁護人によれば、12日に保釈審問が行われる予定で、裁判では無罪を主張する方針という。

 ジマーマン被告側は、マーティンさんが先に被告を殴って鼻を折り、倒れた被告の頭を歩道に何度も叩きつけるなどの暴行を加えたとして、発砲は正当防衛だったと主張している。フロリダ州法では、命の危険や大けがの恐れがある場合は殺傷力の高い武器を使うことが認められている。

 一方、遺族らはマーティンさんが「人種プロファイリング(人種による選別)」の被害者となった可能性を主張している。(c)AFP/Mike Bernos

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