【4月12日 Relaxnews】これまでの研究から、自転車を頻繁に利用する男性が性機能障害に陥るリスクが高いことは明らかになっているが、米エール大学(Yale University)の研究チームが前月発表した研究論文によると、女性にも同様のリスクがあるという。

 今月、この研究結果について報じた米紙ニューヨークタイムズ(New York Times)は、研究で指摘されている「自転車のハンドルが低ければ低いほど性機能障害に陥るリスクが高まる」という点に注目した。

 低く設置されたハンドルバーを握るために前のめりになればなるほど、女性の会陰部に重圧がかかり、しびれ、さらには性機能不全のリスクが生じる。

 この研究では、自転車で週16キロ以上走行する女性48人を対象に調査が行われた。

 研究者らは、被験者らが空気抵抗を無くそうと前のめりの姿勢となり、ドロップハンドル(バーエンドが下方向に曲がっているハンドル)を握ることにより、骨盤領域が圧迫されしびれなどの問題が生じるケースが多かったと指摘した。

 ハンドルを高い位置に設定する事は合理的な解決法だが(スピードを求めるシリアスなライダーにはあてはまらないだろうが…)、自転車のサドルに起因する問題は残る。これには性別は無関係だ。

 米国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and HealthNIOSH)の研究者、スティーブン・M・シュレーダー(Steven M. Schrader)氏は、女性の自転車使用におけるリスクについては更なる研究が必要との見解を示している。しかしその一方で、女性の会陰部は継続的な圧迫に耐えられないことから、先端が短いサドルを使用することで圧力を逃がすことも1つの方法と提案する。

 先の丸いサドルには「かっこよさ」が欠けるが、(性機能障害といった)苦しみからは逃れられる。詳しくは自転車総合サイト「ヘルシー・サイクリング(Healthy Cycling)」で紹介されているBiSaddleThe Spiderflex, The I.S.M.などのメーカーで確認できる。

 シュレーダー氏による以前の研究では、こうした先の丸いサドルは男性の自転車利用者には効果が認められており、同氏は女性にも同様の効果を持つ可能性があるとしている。(c)Relaxnews/AFPBB News