【4月6日 AFP】欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)は5日、地球温暖化の影響が急速に進む南極半島(Antarctic Peninsula)のラーセン棚氷が、過去17年間で85%縮小したと発表した。

 ESAの地球観測衛星エンビサット(Envisat)が捉えた画像からは、1995年には中東カタールの国土に匹敵する1万1512平方キロメートルの面積があったいわゆる「ラーセンB(Larsen B)」棚氷が、現在ではわずか1670平方キロメートルまで縮小している事が分かる。

 ラーセンBは、南米に向かって北に伸びた南極半島東部を南北に走る3つの棚氷の1つ。1995年~2002年に何度か一部が崩落し、02年には残存していた棚氷の半分が一気に崩壊した。ラーセンAは1995年に崩壊している。

 ESAによれば、「ラーセンCは今のところ健在だが、衛星観測から縮小していることや、夏季の溶解期間が長期化していることが分かる」という。
 
 棚氷は、陸上の氷河が海に押し出されてできた厚い氷で、陸上から連結して洋上に浮かんでいるもの。科学者らによると暖流や気温の上昇に非常に影響されやすいという。

 南極半島の北側では、過去50年間で気温が2.5度上昇しており、地球全体の平均より数倍高くなっている。(c)AFP