【4月6日 AFP】コンピューターセキュリティー業界各社は5日、米アップル(Apple)のマッキントッシュ(MacintoshMac)60万台以上が新しく発見されたコンピューターウイルスに感染している恐れがあるとして注意を呼びかけた。

 問題のウイルス「Flashback」は、「トロイの木馬(Trojan Horse)」と呼ばれる種類のマルウエア(悪意のあるソフトウェア)。これまでは主に米マイクロソフト(Microsoft)のウィンドウズ(Windows)OS搭載のPCがトロイの木馬の標的にされていたが、このFlashbackはMacの防衛システムをすり抜けるよう設計されている。

 Flashbackは米アドビシステムズ(Adobe Systems)の動画向けソフトウェア、フラッシュ(Flash)のアップデートを装ってユーザーにダウンロードさせる。感染すればパスワードや銀行などの口座番号といった重要な情報が盗み出される恐れがある。

 このウイルスは、フィンランドのコンピューターセキュリティー会社F・セキュア(F-Secure)が発見するまで「野放し」状態だったという。ロシアのアンチウイルスプログラム開発会社ドクター・ウェブ(Dr. Web)は、すでに60万台のMacがこのウイルスに感染した恐れがあると推定している。

 Macを狙ったウイルスはここ最近増加している。米インターネット・セキュリティーソフト大手マカフィー(McAfee)のマカフィー・ラボ(McAfee Labs)の脅威対策インテリジェンス責任者、デイブ・マーカス(David Marcus)氏はAFPに対し、「PCへの攻撃で悪人たちが学んできたノウハウが、Macへと向けられ始めている」と述べた。

 アップルは長年、Macはウィンドウズよりもウイルスに強い点を誇ってきた。「長い間、MacはPC向けマルウエアに対するぜい弱性はないとされてきた。それは間違いではないが、Mac向けマルウエアには弱い」とマーカス氏は述べている。(c)AFP