【4月2日 AFP】フランスで3日に予定されていた300年前の拷問器具コレクションの競売が、人権団体や旧植民地からの強い反発を受けて中止された。

 問題のコレクションは3世紀前に使用されていた拷問器具など約350点で、1957~62年に仏領だったアルジェリアで198件の死刑を執行した「フランス最後の死刑執行人」フェルナン・メイソニナー(Fernand Meyssonnier)氏が、2008年に死去するまで生涯にわたって収集したもの。競売の売り上げはメイソニナー氏の遺族へ渡る予定だった。

 しかし、アルジェリア国内で強い反発が巻き起こり、国内外の人権団体も「ショッキングで不道徳」だと共同声明で抗議を表明。フレデリック・ミッテラン(Frederic Mitterrand)仏文化相も、競売を「強く非難」する声明を発表し、病的で野蛮な品々の競売は「痛々しい歴史問題」を引き起こすとして中止を求めたことから、仏競売会社コルネット・ド・サン・シール(Cornette de Saint Cyr)は3月30日、競売中止を発表した。(c)AFP

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