【3月30日 AFP】(記事更新)世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2012)は29日、フランスのニース(Nice)で行われ、女子シングル・ショートプログラム(SP)では、ロシアのアリーナ・レオノワ(Alena Leonova)が64.61点で首位に立った。

 2位には62.27点で村上佳菜子(Kanako Murakami)、3位には61.00点でイタリアのカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)が続いた。浅田真央(Mao Asada)は59.49点で4位、鈴木明子(Akiko Suzuki)は59.38点で5位につけた。

■上位の得点差はわずか、日本勢の表彰台独占の可能性も 

 17歳の村上は、輝かしい実績を持つ浅田と鈴木や、コストナーを抑え、首位のレオノワとわずか1.94点差につけた。

 2011年大会(ISU World Figure Skating Championships 2011)王者の安藤美姫(Miki Ando)は今大会を欠場しているものの、日本勢の優勝に国内の期待は高まっており、金メダルに最も近い存在となった村上は、「ヴァイオリン・ミューズ(Violin Muse)」に合わせた力強い演技を披露した。

 一方、2008年大会(ISU World Figure Skating Championships 2008)と2010年大会(ISU World Figure Skating Championships 2010)で優勝を果たし、最も注目を浴びていた浅田は、序盤のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒。また、NHK杯(NHK Trophy 2011)で優勝し、GPファイナルではコストナーに次いで2位に入ったベテランの鈴木は、世界選手権での初メダル獲得を目指し、「ハンガリー狂詩曲(Hungarian Rhapsody)」に合わせた演技を披露したが、3回転ルッツでミスを犯した。

 それでも上位5選手の得点差に大きな開きはなく、日本勢が表彰台を独占する可能性は十分にある。

■国際大会初のメダルを目指す村上

 2010年世界ジュニア選手権を制した村上は、世界選手権デビューを果たした前回大会では8位だった。

 今シーズンも未だ国際大会でメダル獲得はしておらず、11-12フィギュアスケートGPシリーズ第3戦中国杯(ISU Grand Prix of Figure Skating Cup of China 2011)では6位、11-12フィギュアスケートグランプリGPシリーズ第5戦エリック・ボンパール杯(Trophee Eric Bompard 2011)では4位で、全日本選手権では浅田と鈴木に続いて3位だった。

 SP後に村上は、日本にいる多くのフィギュアスケーターから多くのことを学び、今の自分があるのはその人たちのおかげと、日本人スケーターから影響を受けてきたことを話し、あまりいい演技ができてなかったものの、コーチが励ましてくれて、考え方から変える手助けになったと明かした。

■フリースケーティング(FS)で巻き返し狙う浅田と鈴木

 一方浅田は、トリプルアクセルを頻繁に演技に取り入れる唯一の女性フィギュアスケーターだったが、ここ数年は自身の武器に苦しめられていた。今大会で再びトリプルアクセルに挑戦すること決意をした浅田だが、同ジャンプによって3度目の世界選手権制覇を逃す可能性は多いにある。

  浅田は、良い形ができていた日本でのトレーニングより状態が落ちていたとしながらも、トリプルアクセルに挑戦していなければ後悔していたと語り、フリースケーティング(FS)に向けてSPの演技については忘れたいと付け加えた。

 また鈴木は、SPの演技には納得がいかないとし、FSでは観客の力を借りて頑張りたいとコメントしている。(c)AFP/Emmeline Moore