【3月29日 AFP】西アフリカのマリで起きたクーデターで22日から所在が分からなくなっている同国のアマドゥ・トゥマニ・トゥーレ(Amadou Toumani Toure)大統領(63)は28日、AFPに対し、反乱兵たちに身柄を拘束されてはおらず、現在も首都バマコ(Bamako)の安全な場所にいると述べた。

 トゥーレ大統領は電話での短い会話で、「私はバマコにいる。神のおかげで私の家族と私は無事だ。ぜひ知っておいてもらいたいのは、私は捕らわれていないということだ」と述べた。「当然、私は状況の推移を追っている。マリで平和と民主主義が勝利を収めることを心から願っている。今私が言うべきことはそれだけだ」

 マリ国内ではクーデターに対する意見は分かれている。法律家や政治家は憲法停止をやめるよう求めているが、同国北部で独立闘争を続けているトゥアレグ(Tuareg)人との戦いで不十分な武器弾薬や訓練しか与えられていないとしてクーデターに踏み切った兵士たちに同情的な声もある。

 マリの臨時政権は27日、クーデターに参加した者の選挙への立候補禁止や法の支配、基本的人権などについて規定した新憲法を発表するとともに、夜間外出禁止令と国境封鎖も解除した。バマコでは28日、反乱軍のリーダー、アマドゥ・サノゴ(Amadou Sanogo)大尉を支持する人たちがデモ行進を行った。

 ブルキナファソのブレーズ・コンパオレ(Blaise Compaore)大統領が率いる6か国の首脳からなる調停団が29日にバマコ入りする予定になっている。ブルキナファソのイエペネ・バソレ(Yipènè Bassolet)外相はフランスのラジオ局RFIのインタビューで、西アフリカ諸国経済共同体(Economic Community of West African StatesECOWAS)はマリの議会議長を首班とする暫定政権の樹立を目指していると語った。(c)AFP/Thomas Morfin