【3月28日 AFP】ソウル(Seoul)での核安全保障サミット(Nuclear Security Summit)にて偶然マイクが拾い物議を醸したバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の発言に続き、これに対するドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)露大統領の返答までもが話題となっている。ロシアのインターネット上では27日、この発言が反政権派やブロガーたちによってこぞって取り上げられ、嘲笑の的となった。

「わかりました。この情報をウラジーミルに伝達します」

 この発言は、11月に米大統領選が終わればミサイル防衛問題などで柔軟に対応できると語りかけたオバマ大統領に、メドベージェフ大統領が英語で返答したもの。全ての情報は実質の最高権力者であるウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相を通さなければいけないのだと間接的に認めたこの発言は、すぐさまツイッター(Twitter)を通じてネット上で広まった。

 反政権派のリーダー的存在、アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏はツイッター上で、「今日は全てのつぶやきに『これをウラジーミルに伝達します』と返答しよう」と呼びかけ、これによりロシア語で「ウラジーミルに」を意味するフレーズ「Vladimiru」が、数時間とたたない27日の午前中にはネット中に広まり、どんな内容の発言や要求に対しても使える返答として流行語となった。

 5月7日に4年間の任期を終えてプーチン首相と交代する予定のメドベージェフ大統領は、その後首相の地位に就くことが決まっているが、実質的な権力はすでに持たないとみられている。

 ブロガーたちの間では、田舎にいるプーチン首相が携帯電話で話している写真に、「もしもし、こちらウラジーミルだが、何か私に伝達することはあるか?」という字幕が付けられた画像も広まった。

 昨年9月に流行した動画では、閣僚会議でアレクセイ・クドリン(Alexei Kudrin)財務相(当時)に辞任を迫ったメドベージェフ大統領に対し、クドリン氏は「(プーチン)首相と相談します」と返答している。

 評論家らは、3期連続での大統領就任を禁じるロシア憲法に従うため、メドベージェフ氏はプーチン氏が戻ってくるまでの間、いすを温めていただけに過ぎないとの見解を述べている。(c)AFP

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