【3月23日 AFP】(一部更新、写真追加)マリの首都バマコ(Bamako)で大統領府など主要庁舎を占拠し、アマドゥ・トゥマニ・トゥーレ(Amadou Toumani Toure)大統領を追放した反乱軍「民主主義制定のための全国委員会」の指導部は22日、同国の国境を全て封鎖すると発表した。西アフリカ一の民主国家での突然のクーデターに国際社会では懸念と批判の声が高まっている。

 占拠された国営放送局からは何時間にもわたり音楽ビデオが繰り返し流されていたが、やがて反乱軍の数十人が画面に映し出され、声明を発表した。大半は緑のベレー帽をかぶった一般兵士で、将校は2人だけだった。

 反乱兵らは全ての国境の封鎖を発表し、さらにリーダーと名乗るアマドゥ・サノゴ(Amadou Sanogo)大尉はマリ全土に夜間外出禁止令を発令すると宣言した。

 同日遅くには反乱軍政府のアマドゥ・コナレ(Amadou Konare)報道官が再びテレビ放送を行い、外出禁止は午後6時から午前6時までの間となると述べた。外出禁止令がいつまで続くのかは明らかにしなかった。

 また、全公務員に対し27日から通常の職務に戻るよう命令し、各省庁の官僚らも国務を引き続き遂行するべきとした。

■大統領は国内にとどまる

 匿名を条件に取材に応じた軍事筋によると、大統領府の外で銃撃戦が起きたとき大統領府にいたトゥーレ大統領は脱出に成功し、現在は大統領が掌握しているバマコ市内の軍事キャンプにいる。赤いベレー帽をかぶったエリート空挺部隊がこのキャンプを警備しているという。

 米国務省の西アフリカ担当副次官補を務めた経験がある、ワシントンD.C.(Washington D.C.)のシンクタンク、世界開発センター(Center for Global Development)のトッド・モス(Todd Moss)氏は、反乱軍側には「これまでに高級将校がまだ一人も出てきていないことに注目すべき」としている。

 セネガルの首都ダカール(Dakar)でAFPの電話取材に応じたモス氏は、このクーデターにより同国北部のトゥアレグ(Tuareg)人問題が「さらに複雑化する」可能性が高く、トゥアレグ人の反政府勢力との和平はさらに困難になったと述べた。(c)AFP/Serge Daniel

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