【3月19日 AFP】(一部更新)仏南西部トゥールーズ(Toulouse)にあるユダヤ人学校に19日、男が押し入って発砲し、教員1人と子ども3人を殺害、オートバイで逃走した。トゥールーズ周辺では前週にも、オートバイに乗った男による発砲事件が相次いで2件発生し、仏軍兵士3人が死亡、容疑者はそのまま逃走している。

 事件の起きたユダヤ人学校は閑静な住宅街にある。地元当局によると、男は午前8時(日本時間午後4時)ごろ、学校の外で男性教師1人を撃った後、学校内に侵入し無差別に発砲。逃げる子どもを追いかけるなどして発砲を続けたという。3、6、10歳の子ども3人と30歳の教師1人の計4人が死亡したほか、1人が重傷という。

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は直ちに同校を訪問。また、クロード・ゲアン(Claude Gueant)仏内相は国内の全ユダヤ人学校の周辺警備強化を命じた。

■前週に2件の類似事件、拳銃が一致

 トゥールーズ周辺では、1週間のうちにこれで3回の発砲事件が相次いだことになる。

 11日にはトゥールーズの住宅街で、私服姿の仏軍下士官の男性(30)が至近距離から発砲され、死亡。容疑者は黒いバイクウェアを着た男で、バイザーの付いたヘルメットをかぶり、スクーターに乗って逃走した。

 15日には、46キロ離れたモントーバン(Montauban)で、兵舎外にある現金自動預払機(ATM)の前に立っていた空挺部隊の兵士3人が銃撃され、死亡した。目撃者証言によると、オートバイに乗った黒い服の人物が軍服を着た兵士たちに近寄り、至近距離から発砲。這って逃げようとした兵士1人にさらに3発の銃弾を撃ってから、オートバイに乗って現場を立ち去ったという。

 警察科学捜査班は16日、この両事件で使われた拳銃は同一だと発表。地元警察は前週、対テロ特殊部隊を含む警察官50~60人を動員して大規模な捜査を開始していた。

 最初の2事件と今回の事件との関連性はまだ不明だが、ゲアン内相はAFPの取材に対し「類似点がある」と語った。また、警察当局は3つの事件で同じ拳銃が使われたと発表している。

 警察によると19日の事件で男は当初9ミリ拳銃を使っていたが、弾詰まりを起こしたため45口径に持ち替え、校内に侵入している。前週の2つの事件でも使われたのは45口径だったという。(c)AFP/Laurent Lozano