【3月16日 AFP】(写真追加)米アップル(Apple)は、タブレット型多機能端末「iPad(アイパッド)」の新機種を世界各地の現地時間16日に発売を開始した。16日に新型iPadが発売されるのは、オーストラリア、日本、香港(Hong Kong)、シンガポール、英国、フランス、スイス、ドイツ、米国、カナダ。時差の関係から「new iPad(新しいiPad)」と呼ばれる第3世代新機種を世界に先駆けて手にしたのは、オーストラリアのアップルファンとなった。

 米ニューヨーク(New York)株式市場では、新型iPad成功への期待感から、同端末の発売を翌日に控えた15日、アップルの株価が一時、初めて600ドルを超えた。終値は585.56ドルだったが、アップル株価は直近の3か月で50%以上、上昇している。

 数百人が並んでいた豪シドニー(Sydney)のアップル直営店では16日午前8時(日本時間同日午前6時)に新型iPadの販売が始まった。

 だが、実はオーストラリアで最初に新型iPadを販売したのはアップル直営店ではなく豪通信大手テルストラ(Telstra)の店舗だった。テルストラはシドニーとメルボルン(Melbourne)の店舗を16日午前0時(日本時間15日午後10時)に開け、新型iPadの販売を始めていた。

■日本では450人以上が行列

 オーストラリアに続いて新型iPadが発売された東京・銀座(Ginza)のアップル直営店には450人を超える人が列を作った。

 列に並んで新型iPadを手に入れた25歳の男性は、新たに採用されたRetinaディスプレーが購入の決め手となったと語った。この男性は、一度Retinaディスプレーの鮮明な画像に慣れてしまうと、古い製品には戻れないと語った。

 アップル直営店に列を作った人の中には徹夜組もいた。その1人、19歳の大学生は36時間も並んでやっと新型iPadを手にしたという。新製品を手に店から出てきたこの学生は「すごく嬉しい!」と興奮気味に語った。大学では、いつもiPad2を使っているが、新型の鮮明なディスプレーに期待していたという。(c)AFP