【3月15日 AFP】オランダ・ハーグ(The Hague)の国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)は14日、子どもを戦闘要員に徴集するなどの戦争犯罪で起訴されたコンゴ(旧ザイール)の武装勢力「コンゴ愛国者同盟(Union of Congolese Patriots、UPC)」の元指導者、トマス・ルバンガ(Thomas Lubanga)被告(51)に有罪判決を下した。

 ルバンガ被告は、2003年まで4年続いた内戦時、金採鉱地域での交戦で15歳未満の子どもをUPCの戦闘要員として徴集し、利用した罪が問われていた。量刑は今後言い渡される。最高刑は禁錮30年だが、被告の罪が極めて重いと判事が判断すれば終身刑になる可能性もある。

 ルバンダ被告は引き続きICCのスヘフェニンゲン(Scheveningen)拘置所で勾留され、コンゴの公用語であるフランス語に訳された判決文を受け取ってから30日以内に控訴することができる。判決文の翻訳には数か月かかる見込み。

 人権団体は同被告の有罪判決について、ウガンダの反政府勢力の指導者ジョゼフ・コニー(Joseph Kony)司令官など、子どもを戦闘に強制動員した他の武力勢力指導者に強いメッセージを送るものだと述べ、ICCの判断を歓迎した。ICCで公判が行われたのは、2002年7月の設立以来初めてだった。

 裁判長は満席の傍聴席を前に、「子供たちが過酷な軍事訓練に耐え、ひどい虐待を受けたことが明らかになった」と述べた。傍聴者のなかには、児童兵の反対運動を行っていることで知られる女優アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんの姿もあった。(c)AFP/Jan Hennop

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